目の治療

CARE

目の治療

点眼薬は使用目的や効果によってさまざまな種類があります。 角膜・結膜、虹彩や毛様体などの治療に使われ、炎症を抑える薬、感染症の薬、アレルギーの薬、血液循環や血管の薬、白内障や緑内障の薬などがあります。 点眼薬をさすときは、点眼する目は右目か左目か、点眼の回数や時間を良く確認しましょう。 白内障や緑内障などでは2種類以上の目薬を処方されるときがあります。
2種類以上の目薬をさすときは5分以上間隔を開けます。時間を開けずにさしてしまうと、目薬が吸収されずに流れてしまい、それぞれの目薬の効果が弱まるためです。 軟膏は、まぶたや角膜・結膜の治療に使われます。点眼薬よりも薬の成分を目の表面に長くとどめ、薬効を高めます。

眼科ではおもに点眼薬や軟膏(塗り薬)が処方されますが、点眼薬だけでは薬効が足りないときに補助的に内服薬が処方されることがあります。 また、目薬や軟膏で薬の成分がとどかない、目の奥(眼底)にある網膜や脈絡膜、視神経の治療には内服薬が処方されます。胃や腸で吸収され、血液の流れにのって患部に送りとどけられ作用します。

眼科で行われるレーザー治療は、水晶体に使用されるヤグレーザー、網膜や虹彩などの治療に使用されるアルゴンレーザー、近視矯正手術など角膜に使われるエキシマレーザーなどがあります。おもに後発性白内障、急性緑内障発作、糖尿病網膜症などの治療に使用されます。 後発性白内障は、白内障の手術後から数ヶ月〜数年たって、ふたたび目がかすすんだりして視力が悪くなる症状で、手術のときに残した後嚢が、濁ってくることが原因です。
この濁った部分をレーザーで切除するだけで治療ができます。視力もすぐに回復し、痛みもありません。 急性緑内障発作は、目の中に栄養や酸素を送りとどける房水がうまく排出されず目の中にたまって、眼圧が急激に上がってしまう状態です。視神経を圧迫して目の痛みや頭痛、視力の低下などの症状があわられます。レーザーで虹彩に小さな穴を開けて、房水を排出し眼圧を下げます。 最近では、レーシック手術という、近視や乱視の矯正の手術があります。この手術は、レーザーで角膜をけずって屈折率を調整することで視力を回復します。

普段の生活に支障がなければ、点眼薬や内服薬で白内障の進行を遅らせます。ただし、点眼薬や内服薬は水晶体のにごるスピードを遅くするもので、進行してしまった白内障を回復させる薬は今のところありません。 白内障が進行して、普段の生活に不自由を感じるようになったときは、手術が必要になります。

緑内障の検査

眼科では、緑内障の診断や進行状況を調べるため、さまざまな検査を行います。以下のような検査がありますが、すべて行うわけではありません。病態に応じた検査をします。

接触式眼圧計による眼圧測定

眼圧計という検査機器を使って目の圧力を測定します。眼圧は通常10〜20mmHgですが、21mmHgより高くなると緑内障が疑われます。

隅角検査

房水が排出される、隅角を特殊なレンズと、細隙燈顕微鏡を用いて直接観察します。

視野検査

正常な人で、片方の目で見える範囲は上60度、下70度、鼻の方に60度、耳の方に100度くらいの視野をがあります。この視野を調べることで網膜や視神経が正常に機能しているかがわかります。

パキメーターによる、角膜厚測定

視神経乳頭をコンピュータを用い解析し、乳頭の視神経繊維の厚みを測定します。正常眼と比較し、視神経が傷害されている度合いを系時的に測定します。

OCTによる視神経乳頭解析

OCTは、眼底に弱い赤外線を当て、反射して戻ってきた波を解析して、網膜の断層を描き出す最新の検査機器です。視神経乳頭のなどを観察することで、緑内障の早期発見を正確に行えます。

緑内障の治療

眼球の中は、房水という液体で満たされていています。房水は、眼球の大きさや形を保ち、眼球の中を循環し酸素や養分を補給しています。眼圧を一定に保つため隅角の近くにある、 シュレム管から眼球外に排出されます。この房水の排出が悪くなると、眼球にたまって眼圧が上昇します。眼圧が高いと視神経乳頭や視神経が圧迫され障害が生じます。緑内障の治療では、この房水の流れを良くして眼圧を下げる治療が行われます。

点眼治療

最初は点眼薬の治療を行います。眼圧を下げるため、房水を減らしたり、房水の流れを良くする薬を使用します。まずは1種類の点眼薬から始めて様子を見ます。視野障害が進行する場合は2、3種類の点眼薬を組み合わせます。それでも症状が改善しないときはレーザー治療や手術などの治療が検討されます。

レーザー治療

レーザー治療は、房水の流れを良くするための処置が施されます。10分ほどで終了し、外来で受けられます。術中は強い痛みもありません。また、術後の洗眼洗髪等に制約はありません。

外科手術
点眼治療やレーザー治療で眼圧がコントロールができず、視野欠損の進行が止まらないときは、外科手術を行うことになります。外科手術は、線維柱帯切開術(トラベクロトミー)、線維柱帯切除術(トラベクレクトミー、濾過手術ともいいます)があります。 線維柱帯切開術は、眼圧を下げる作用は少なく、時間が経つと効果が減少することが多ですが、術後の経過は比較的よく、切開の痕跡もわりと小さく押さえられます。
線維柱帯切除術は、虹彩に小さく開口部を作り、前房と後房と前房の間に房水のバイパスを形成し、房水を強膜へ排出させます。眼圧を下げる作用が高く、長期的に効果があります。